すずかけの木で大事にしている活動のひとつに「ものつくり」があります。
顧問で元明星学園小学校校長の「いっちゃん」こと一瀬清先生が、子どもたちにものつくりを指導してくださっています。
いっちゃんのものつくりで大事にしていることが3つあります。
① 自然のものから学ぶこと
自然のものを素材にすることで、実際にいろんな植物の姿形や特徴に触れ、植物ひいては生き物の多様性を知っていきます。
② 「手」を使うこと
自分のからだを思うように使えるようにしていきたい。特にものつくりでは「手」が重要で、結んだり削ったり、いろいろ動かします。
③ 作ったものを使うこと
自分で作った作品を使えるように、ノートやしおりに仕上げたり、遊べるものも作ります。今、100円ショップでもおもちゃは買えるけど、自分で作ったもので遊べる、自分が作ったんだという喜びや誇らしく思う気持ちが大事と考えています。
そんないっちゃんのものつくり。
だいたい月に2回ほどのペースで教えにきてくださいます。
5月、6月と2カ月にわたって作ったのは「草木染の箱」でした。
色とりどりの染料で、和紙を染めて作ります。
鮮やかな色ですが、すべて自然のものから色をもらっています。
青=藍
緑=桑
赤=あかね
黄=ベニバナ
オレンジ=たまねぎの皮
茶=コーヒー
どれも、とても鮮やか。そして自然ものならではの味わいのある色です。
最初は、和紙を折って、角を好きな色で染めていきます。
みんな折り方もそれぞれ、染める色もそれぞれなので、自然と「自分だけの」模様ができるのです。
どれも本当にすてきだね!
染めた紙は、次回のものつくりで箱の形にするので、新聞紙に挟んで乾かしておきます。
2週間後のものつくり。
今日は、前回染めた紙を使って、箱にしていきます。
厚紙に、箱の型を印刷したものをいっちゃんが作って来てくれました。
これに染め紙をのりで貼って、線の通りに切っていきます。
これが簡単なようで、1年生には難しい部分も。
のりがよれたり、角が伐りにくかったり…
箱の形にするのも、ちょっと難しい…
2年生以上の人は、これまでにも作っているので、慣れたもの。
「こんなふうに作りたい」というイメージをもって、集中して作っています。
みんな、それぞれ仕上げていって、きれいな箱が次々できました。
できあがった箱は、世界に1つだけの自分の作品。
「みんなちがって、みんないい!」
ということを実感します。
みんな、嬉しそうです。
大事に使ってくれるといいな!
新年度の学校生活とすずかけの木での生活に子どもたちも少しずつ慣れてきた頃でしょうか、5月下旬に保護者の方が有志で企画された旅行に行ってきました。
秩父多摩甲斐国立公園内にある、三鷹市川上郷自然の村まで1泊2日のバス旅行です。
自由参加でしたが参加者は総勢90名、うち子どもは40名ほど。
バス2台を貸し切った大所帯での旅行となりました。
朝早くに吉祥寺に集合し、いざ出発!
数時間後には大自然の中にある施設に到着しました。お昼ご飯を食べ、早速アクティビティ開始です。
まずは、フィールドビンゴ。
通常のビンゴカードでは数字が書いてあるマス目に、きりかぶ、幼虫、赤い葉っぱ、ミミズなど、フィールド(今回は屋外)で見つかるものが書いてあります。そのカードを手にチームに分かれて広い敷地内を探し回ります。
フィールドビンゴと並行して、遊ぼうパンの準備も始まりました。
保護者の方々が有志で作ってきてくださったパン生地を木の枝や竹に巻きつけ、焚き火で焼く遊ぼうパン。パンを巻きつける枝探しも自分たちでやります。
フィールドビンゴを終えた子どもたちも合流し、長い長い枝を担いでくる子がいたり、火起こしに使う枯葉を集めたり、素材集めもみんなで頑張りました。
顔が焼けるような熱さのなか根気よく焼き上げたパンには、それぞれ持ち寄ったジャムなどのスプレッドをつけて食べました。
口の周りにチョコレートをつけた子どもが続出して微笑ましたかったです。
その美味しさに、2回、3回とパンを焼く様子も見られました。
夕食後はみんなが楽しみにしていた花火。グラウンドで手持ち花火からスタート。数人でやる花火とは違い、40人余りの子どもが揃ってやると、広いグラウンドのあちらこちらで火花が動き回り、見ていてとっても綺麗でした。
手持ち花火を楽しんだ後は、100個近くあったかもしれない!?家庭用打ち上げ花火とナイアガラ(保護者の方お手製!)も鑑賞し、迫力満点で大盛り上がり。ひと足先に夏の夜を彷彿とさせる素敵な時間になりました。
翌日午前中は、出発まで自由時間です。
スポーツをしたり、虫を探したり、それぞれ思い思いに過ごしました。
体育館では、バドミントン、フラフープ、縄跳び、フリスビーなどで遊んだり。グラウンドでは野球をやっている姿も見かけました。
山の中にあるアスレチックも人気でした。
恥ずかしながらアスレチックがある場所まで登るだけで私は息切れでした…!
10種類くらいのアスレチックに子どもも大人も一緒になって挑戦しました。
たくさん体を動かしたあとは、出発前最後のご飯、カレーライスをお昼にいただきました。おかわりをしたり、大人もびっくりするほど大盛りのカレーを平らげる子も! みんなで食べるご飯はやっぱり格別に美味しいですね。
そして、片付けや帰り支度をするうちにあっという間に施設を出る時間に。
最後に施設の入り口前で集合写真を撮りバスに乗り込みました。
最初は賑やかだった車内も、出発して10分もたたないうちに静まり返り、子ども大人もほとんど寝ていました。なんだか修学旅行や合宿のようで、学生の頃を思い出しました。
とはいえ長いバスの旅、ずっと寝ていたわけではありません。わいわいと子供同士が話す声が聞こえてきたり、後ろからは高学年のお姉さんの歌声が聞こえてきたり。行きのバスよりも賑やかで、この旅行で子どもも保護者も仲を深められたのだなと感じました。
解散地である吉祥寺に帰ってきた時にはすっかり日も落ちていましたが、次の日も学校で会える不思議な感覚を覚えつつそれぞれ帰路につきました。
今回の旅行で保護者として嬉しかったのは、スタッフの方々と子どもたちが接している姿を間近で見られたことです。
触れ合いが多いことが印象的で、子どもたちがスタッフの方々を信頼している様子が窺えました。と同時に子どもたちがそんな風に安心できるように日々接してくださっているのだなと感謝の気持ちでいっぱいになりました。
この2日間、子どもも保護者も大自然の中でリフレッシュでき、交流を深められとても有意義な時間を過ごせました。
アクティビティはもちろん、みんなで一緒にご飯を食べ、お風呂に入り、子どもたちも日常から離れたひとときを楽しんだと思います。
旅行を企画実行していただいた幹事の方々にこの場を借りて改めてお礼申し上げます。
素敵な時間をありがとうございました!
(1年生保護者)